使い捨てコンタクトレンズ通販の価格比較のエントリーリスト -2006年11月-
11月30日
細菌性角膜炎とは細菌性角膜炎は細菌が角膜に感染して、強い炎症を起こす病気のこと
細菌性角膜炎は細菌が角膜に感染して、強い炎症を起こす病気です。
原因は何か
角膜の表面には上皮細胞がきれいに張っていて、また、その上の涙のなかには細菌感染から眼を守るさまざまな分子が含まれているため、通常はなかなか感染が生じません。ところが、角膜の表面が傷ついた場合はこの防御線がくずれ、角膜に感染を起こしてしまいます。
昔は、たいてい角膜に異物が飛び込んだ時などに表面に傷がつき、そこから細菌が感染していましたが、最近はコンタクトレンズが原因の感染が非常に増えています。
症状の現れ方
角膜に細菌が感染すると、眼の痛みと白眼の充血を伴って視力が低下し、涙や目やにがかなりたくさん出ます。角膜に白いにごりがあるのが、肉眼でわかることもしばしばあります。通常は片眼性です。
非常に重症で手遅れとなった場合は角膜に孔(あな)があくことがありますが、この時は温かい涙が突然たくさん出ます。これは、眼内の液(房水(ぼうすい))が外へ突然もれたために、このような症状になります。
検査と診断
角膜の悪くなっている部分をこすりとって、それを顕微鏡で調べたり、培養したりして、菌が感染していることを確認するとともに、菌の種類とどのような抗菌薬が有効か(感受性)を検査します。
治療の方法
抗菌薬の投与を行います。軽症では点眼薬を頻回投与(1時間に1回など)しますが、重症例では、それに加えて点滴や結膜下注射(白眼のところへの注射)を行います。この場合は、多くは入院治療が必要となります。
このような薬物治療で治らない場合や、強いにごりを残して治った場合は、角膜移植を行うことになります。
病気に気づいたらどうする
細菌性角膜炎は日に日に悪くなる病気で、治療のスタートが遅れれば遅れるほど予後が悪くなるので、早く眼科を受診する必要があります。また、異物が入った時は、それが感染のきっかけになるので、症状が軽くても、やはり放置せず眼科を受診しましょう。
コンタクトレンズが感染源として疑われた場合は、そのコンタクトレンズを保存液につけたままで持っていけば、検査設備の整った病院なら、そこから原因となった微生物を見つけることができる場合があります。
11月30日
チバビジョンのフォーカスデイリーズは、独特のトライカーブデザインと独自のレンズ素材特性により、レンズの形状保持性が高く、扱いやすさと快適な装用性に優れています
チバビジョンのフォーカスデイリーズトーリックは、独特のトライカーブデザインと独自のレンズ素材特性により、レンズの形状保持性が高く、扱いやすさと快適な装用性に優れています。
先進のレンズデザイン「バックトーリック・ダブルシンゾーン (Back Toric Double Thin Zones)」を形状保持性の高いレンズ素材と組み合わせて、世界初の乱視用使い捨てレンズを実現。いつもシャープでクリアな視界があなたのものになります。
角膜の形状にぴったりとフィットするので、レンズの回転を防ぎ、乱視矯正に大切な円柱軸度の安定性を確保できるのです。
日本国内では「フォーカスデイリーズアクアトーリック」の商品名で販売されています。
11月30日
2ウィークファインアルファは従来の2ウィークファインを進化させた、2週間使い捨てコンタクトレンズ。長時間装用にぴったりで、装用感がよくなり快適さがアップ
シードのツーウィークファインアルファは、非イオン性の汚れにくい素材を採用するなど従来の「シード ツーウィークファイン」の良さを継承しながら、新開発のレンズデザインを採用し、一段と快適な装用感を実現した「シード ツーウィークファイン」の後継商品です。
いつだって、いい笑顔でいてほしいから。 ツーウィークファイン アルファは、ワンランク上の「心地よさ」にこだわりました。新開発のレンズデザインで、いちだんと快適な装用感を実現。瞳へのソフトなフィット感が続く非イオン性の2週間定期交換タイプです。
エッジなめらか。より快適なつけ心地
シード独自の「スムーズエッジデザイン」を新開発。レンズの周辺部をなめらかに仕上げました。
しかも、レンズ中心部の厚みはわずか0.07mm(-3.00D)の自然で快適なつけ心地です。
きれいにキープして、クリアな瞳
汚れを引き寄せにくく、安全な非イオン性を使用。長い時間装着しても、クリーンでクリアな視界が続きます。
素材しっかり、だから取り扱いラクラク
弾力性のある素材でカタチが安定。しかも、レンズ周辺がスッキリなめらかだから、指に乗せても型くずれしにくく、初めてのソフトレンズを扱う方でも取り扱いが簡単です。
11月30日
サイトメガロウイルス網膜炎は後天性免疫不全症候群における代表的な眼の日和見感染症のひとつ
ヘルペスウイルス科に分類されるサイトメガロウイルスによる網膜感染症です。このサイトメガロウイルスには、日本では成人の約90%の人が潜伏感染しており、ほとんどすべての人がこのウイルスを体内にもっています。
何らかの原因により、サイトメガロウイルス網膜炎が発症すると、網膜は壊死(えし)に陥り、失明にまで至ります。後天性免疫不全(こうてんせいめんえきふぜん)症候群(エイズ)における代表的な眼の日和見(ひよりみ)感染症のひとつです。
原因は何か
サイトメガロウイルス網膜炎は、大別して2つに分けることができます。先天性のサイトメガロウイルス感染症によるもの、すでに体内に潜伏感染しているサイトメガロウイルスによる後天性の網膜炎によるものです。
の先天性のものは、胎児が母体内にいる時に、胎盤を経由して感染し、多くの臓器症状のひとつとして発症するものです。この場合、眼球それ自体に異常(例:視神経乳頭(ししんけいにゅうとう)形成異常)が認められることもあります。
それに対し、の後天性のものは、何らかの原因で体の免疫力が落ちている場合に発症します。悪性腫瘍(あくせいしゅよう)で抗がん薬投与中の人、臓器移植後で拒絶反応を抑えるために免疫抑制薬使用中の人、そしてここ10~20年間では後天性免疫不全症候群(エイズ)の人での発症が注目されています。
一般的に、成人のサイトメガロウイルス網膜炎といえば、の後天性のものを指します。つまり、すでに体内に潜伏感染しているウイルスが、免疫力の低下に伴い暴れ出し、網膜に重い炎症を引き起こすのです。健康な人が突然、この病気を発症することはほとんどありません。
症状の現れ方
この病気の症状は、視力低下から飛蚊症(ひぶんしょう)に至るまで、いろいろです。これは病変が眼底のどの部位を侵すかにより決まります。進行の度合いも、網膜血管を侵して急速に進行していくタイプから、徐々に進行するものまであり、どのようなタイプで発現するかにより症状も異なります。
多くの場合、初期には片眼で発症しますが、時間とともに両眼に至ります。さらに発症1年以内に、網膜病変の萎縮(いしゅく)に伴い、網膜剥離(もうまくはくり)を生じ、そのために視力・視野障害が起こる場合もあります。
検査と診断
診断は、全身の免疫不全状態に伴う、特徴的な眼底所見によりなされます。確定診断のためには、ウイルスの分離、ウイルス抗原の検出が行われますが、近年は分子生物学的手法(PCR法)を用いたウイルスDNAの検出が多用されています。特異性が高く、迅速であることから広く普及してきています。
また、区別すべき病気として、他のヘルペスウイルス科のウイルスによる網膜感染症が問題となりますが、PCR法を用いることで特異的なウイルスDNAの検出が可能となり、鑑別診断にも重要になっています。
治療の方法
治療は、抗ウイルス薬の点滴による全身投与です。使用薬剤としてはガンシクロビルが一般的です。治療の問題点として、長期にわたる点滴治療が必要なことから、全身的な副作用(骨髄抑制(こつずいよくせい))があります。
それらを解決するために、米国ではこの薬を特殊な小型の容器に入れ、持続的に眼球内に放出する治療(徐放性(じょほうせい)インプラント)が行われています。この特徴は、眼球局所への投与が可能であり、6カ月以上にわたる薬剤効果があることです。良好な結果が報告されており、全身の副作用も解決されています。
しかしながら、この薬の作用はウイルスの増殖を抑制するものであり、病気そのものを治す効果はありません。そのため、薬剤を中止すると病気の再燃(再発)が生じます。本質的な治療は、全身の免疫不全の改善です。
病気に気づいたらどうする
この病気は前述したように、何らかの免疫不全状態がないと発症することはありません。エイズや他の免疫不全を生じる状態(たとえば、臓器移植後で免疫抑制薬の投与中)の人で、視力低下や飛蚊症などの症状があれば、すみやかに眼科網膜専門医の診察を受けてください。あるいは、内科主治医に申告し、眼科受診の依頼をしてもらうのがよいでしょう。
サイトメガロウイルス網膜炎は、進行がそれほど速くないため、早期に発見できれば、抗ウイルス薬の投与により視機能をある程度保つことが可能です。
11月30日
さかさまつ毛は外向きに生えて角膜には触れない睫毛が、内向きに生えて角膜に当たり、角膜に傷をつくること
本来、外向きに生えて角膜(かくまく)(黒眼)には触れない睫毛(しょうもう)が、内向きに生えて角膜に当たり、角膜に傷をつくります。
原因は何か
まつ毛が角膜方向を向く原因には、まぶた自体が内向きにまくれ込んでいる眼瞼内反と、まぶたには問題なく、毛根からのまつ毛の生え方がいびつで角膜側を向く睫毛乱生とがあります。
眼瞼内反には、先天性のものと加齢性(老人性)のものが多く、いずれもまぶたの皮膚の過剰やたるみ、皮下の筋肉の筋力低下などによるものです。先天性のもので、まぶたの内反の程度が軽く、皮膚や皮下脂肪が過剰なため、まつ毛の生える方向が内向きである場合、とくに睫毛内反と呼ぶことがあります。
また、これらのほかに、炎症などの結果、まぶたが変形して起こる瘢痕性(はんこんせい)のものや、まぶたがけいれんして起こるものなどもあります。いずれも、ひと並びのまつ毛全体が角膜方向を向くので、多くのまつ毛が角膜に当たることになります。
一方、睫毛乱生は眼瞼縁炎(がんけんえんえん)など、まつ毛の毛根部の炎症によって引き起こされることが多く、角膜に当たるまつ毛の数は1本のみの場合から多数の場合までいろいろです。
症状の現れ方
乳幼児では瞬目過剰(しゅんもくかじょう)(まばたきが異常に多い)、羞明(しゅうめい)(光を異常にまぶしがる)、結膜充血(眼が赤い)、眼脂(がんし)(目やに)、流涙(りゅうるい)などを起こします。小児、成人では以上に加え、異物感、痛みなどを訴えます。
検査と診断
眼科外来での診察で、まぶたの形状、まつ毛が角膜に接触していること、角膜の傷の程度などを診断します。常時まつ毛が角膜に接触している場合のほかに、眼球運動やまばたきの強さ次第で、まつ毛が角膜に接触する場合があります。
治療の方法
先天性の眼瞼内反・睫毛内反の場合、成長とともに1歳前後で自然に治ることが多いので、それまでは抗生剤の点眼などで様子をみるのが普通です。2歳以上で治らない場合、さらなる成長に伴い自然治癒することも期待できますが、症状の強さ次第では手術を考えます。
加齢性の眼瞼内反では、まつ毛を抜くと一時的に症状は改善しますが、またまつ毛が生えると同じことの繰り返しになります。また、抜くにしても、ひと並びのまつ毛全体を抜く苦痛も決して軽くはありません。手術して治すほうが効果的です。
睫毛乱生でも、まつ毛を抜くと一時的に症状は改善しますが、まつ毛が生えるとやはり同じことの繰り返しです。抜く本数が少なくても、繰り返せば炎症を引き起こしたり、さらに太いまつ毛が生えてくる場合もあります。
きっちり治すには手術が必要で、睫毛電気分解(まつ毛の毛根を電気の針で焼く)や冷凍凝固、また内反症手術に準じた手術などが行われますが、簡単には治らない場合もあります。
病気に気づいたらどうする
同様の症状でも結膜炎、眼瞼縁炎などの場合もあるので、早めに専門医を受診してください。
11月29日
サルコイドーシスは、全身のリンパ節やいろいろな臓器に結節という腫瘍のような塊ができる病気
サルコイドーシスは、全身のリンパ節やいろいろな臓器に結節という腫瘍のような塊ができる病気で、ときにぶどう膜炎を併発します。
症状と診断
全身のサルコイドーシスの患者の30~40パーセントに、目の症状が出るといわれます。ぶどう膜炎は両目に出ます。サルコイドーシスによるぶどう膜炎の特徴は、角膜の後面に白っぽい小さな沈殿物が多数つき、硝子体には雪玉のような濁りが現われ、眼底には血管炎などの症状が出ます。
胸のなかのリンパ節にもっともよく結節ができるので、診断をつけるために胸のエックス線撮影をしたり、リンパ節をとりだして顕微鏡で観察したりします。
また、サルコイドーシスになると、ツベルクリン反応が陰性になることもよくあります。慢性の病気で、症状が長引いたり、再発をくり返すと、白内障や緑内障を合併し、視力が低下します。
治療の方法
散瞳薬の点眼、副腎皮質ステロイド薬の点眼や目への注射、点滴、内服を行ないます。
11月29日
蚕蝕性角膜潰瘍は角膜の周辺部に沿って円弧状に角膜が薄くなる病気
通常、角膜潰瘍は角膜の中央に起こることが多いのですが、この病気は角膜の周辺部に沿って円弧状に角膜が薄くなるものです。めずらしいですが重症の角膜の病気です。
原因は何か
角膜を自分の免疫が攻撃する自己免疫疾患(じこめんえきしっかん)のひとつと考えられています。やはり自己免疫疾患である関節リウマチの患者さんに、蚕蝕性角膜潰瘍と同じような状態が生じることがあります。
症状の現れ方
白眼のある部分の強い充血と眼痛を生じます。眼痛が強いとされていますが、ほとんど痛みを訴えない場合もみられます。目やにはあまり出ません。
角膜の中央は最初は侵されないので、視力はあまり低下しませんが、進行すると強度の乱視(らんし)や角膜中央のはれを伴ってきて視力が低下します。また、薄くなったところに孔(あな)があくこともあり、その場合は熱い涙が突然出て、視力が急に低下します。片眼のことも両眼のこともあります。
検査と診断
他の自己免疫疾患がないか血液検査を行います。通常の蚕蝕性角膜潰瘍はそれだけで発症し、他の自己免疫疾患を伴いませんが、もし他の自己免疫疾患が見つかれば、それに対する治療が必要になってきます。
関節リウマチで蚕蝕性角膜潰瘍と類似の状態になったものは、「関節リウマチに伴う周辺部角膜潰瘍」と考えられており、蚕蝕性角膜潰瘍とは別とされていますが、両者が本当に別の病気であるのかどうかは、実はよくわかっていません。
治療の方法
この病気は、自分の免疫反応が自分の体を障害している状態なので、免疫反応を抑制するよう副腎皮質ステロイド薬を使用します。点眼では不十分なことが多く、内服などの全身投与を併用します。また多くの例で、治療用のソフトコンタクトレンズを装用します。免疫抑制薬を使用する場合もあります。
重症の場合は薬物療法では不十分で、外科的に角膜潰瘍を生じている部分の結膜を切除し、その部の黒眼と白眼の境界部に、ドナー(提供者)由来の角膜の表層断片を移植する角膜上皮(かくまくじょうひ)形成術という特殊な手術を行います。
11月29日
霰粒腫とはマイボーム腺が詰まって、なかに粥状のどろりとしたものがたまり、慢性的な炎症が起こって腫瘤ができる病気
マイボーム腺(まぶたの深部にある脂腺)が詰まって、なかに粥(じゅく)(かゆ)状のどろりとしたものがたまり、慢性的な炎症(肉芽腫性(にくげしゅせい)炎症)が起こって腫瘤(しゅりゅう)ができる病気です。乳幼児から老人まで、あらゆる年齢層に発生します。
原因は何か
マイボーム腺はまつ毛の生え際近くに開口部がありますが、その開口部が炎症などで詰まることによって起こります。
症状の現れ方
まぶたにドーム状のしこりができます。普通、痛みはありません。放置すると次第に大きくなっていきます。外から触れるとコリコリしたしこりができています。
放置すると、まぶたの皮膚側や内側に破れて内容物が出ることがあります。しかし内容物が出ても、麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と違い、これで治りきることはまずありません。また、時には腫瘤に細菌感染を併発することがあり、この場合、麦粒腫のように発赤と痛みを伴います。
検査と診断
症状と無痛性のしこりの存在から、診断は比較的容易です。ただ、同一部に再発を繰り返す場合、がんの可能性もあるので、手術で摘出した組織を顕微鏡で調べる必要があります。
治療の方法
局所麻酔をし、切開して摘出します。小児の場合は全身麻酔が必要になります。原則は手術ですが、手術を避けたい場合は、ステロイド薬を腫瘤に注射します。これで治らない場合は、やはり手術が必要です。
病気に気づいたらどうする
まぶたにできたしこりに気づいても、通常は痛くないので、眼科受診が遅れがちです。傾向としては徐々に大きくなっていくので、早めに眼科を受診しましょう。
11月29日
視覚障害(緑内障)とは一般的に眼圧が上昇することで視神経に負担がかかり、緑内障になります
高齢者での特殊事情
視覚障害は、視力障害と視野障害に大別されます。
視野障害の代表的な病気が緑内障です。一般的には、眼圧が上昇することで視神経に負担がかかり、緑内障になります。
緑内障とは、視神経乳頭部で視神経が障害される病気で、特徴的な視神経陥凹(かんおう)と視神経線維欠損、視神経乳頭の出血とともに、視野障害を起こします。眼圧がかなり高くなれば、吐き気、頭痛、眼痛などの症状が現れますが、早期では一般的に自覚症状に乏しく、進行した場合に視力低下や視野欠損を自覚します。
自覚症状に乏しいため、末期まで放置されてから眼科を受診するケースも目立ちます。
緑内障は、開放隅角(かいほうぐうかく)緑内障、閉塞隅角(へいそくぐうかく)緑内障、および眼圧が正常な正常眼圧緑内障などに分類されます。高齢者では正常眼圧(せいじょうがんあつ)緑内障の割合が高くなっています。
近年、日本人の5%以上が緑内障で、70歳以上に限れば13%以上が緑内障であることがわかり、非常に一般的な病気であることがわかってきました。高齢者によくみられる白内障(はくないしょう)と自己診断しないように注意してください。
治療とケアのポイント
眼圧検査、眼底検査、視野検査などで緑内障を診断することができます。眼圧を下げることで、視野障害の進行をとめられます。数種類の眼圧下降薬を点眼するのが一般的です。
正常眼圧緑内障の場合は、乳頭の循環障害に対し、循環改善薬が用いられることもあります。緑内障発作(急性閉塞隅角緑内障)の場合には、レーザー光線による虹彩切開術を行います。
眼圧が十分に下がらない場合には濾過(ろか)手術を行います。眼圧の目標設定値は個人差があります。定期的な視野検査で視野欠損の進行がとまった時点が、目標眼圧と考えます。
その他の重要事項
正常眼圧緑内障では、高齢者の最も一般的な視力障害の原因である白内障と診断されることがよくあります。眼圧のみでの診断ではなく、視神経乳頭検査や視野検査を必ず受けるようにしてください。
緑内障発作(急性閉塞隅角緑内障)では眼症状以外に頭痛、吐き気、嘔吐などの全身症状がみられるため、他科を受診してしまうことがありますが、視覚障害がないかの確認をすることが重要です。
嚢性(のうせい)緑内障は、高眼圧にもかかわらず自覚症状が乏しいため、進行してから眼科を受診し、診断されることがあります。
11月29日
紫外線障害による目の病気は320nm以下の紫外線の曝露により、角膜炎(かくまくえん)・結膜炎(けつまくえん)がみられます
紫外線は、可視(かし)光線(390~700nm)より波長の短い電磁波(10~390nm)で、その生物学的効果から、長波長域(320~390nm)、中波長域(285~320nm)、短波長域(190~285nm)、真空紫外域(190nmより短波長側)に分類されます。長波長域、中波長域、短波長域は、それぞれ慣用的にUV―A、UV―B、UV―Cと呼ばれています。また、近紫外線(きんしがいせん)(285~390nm)と遠紫外線(えんしがいせん)(285nm以下)に分類されることもあります。
日常生活で曝露(ばくろ)される紫外線の大部分は太陽光線に由来しますが、285nm以下の波長域の紫外線は、成層圏のオゾン層で吸収され地上に到達しません。一方、人工光源から発生する紫外線の大部分は、自然界に存在する紫外線よりも波長が短く、UV―C領域に波長のピークがあります。紫外線は、生体への影響として、主に眼障害と皮膚障害を引き起こします。
症状の現れ方
眼障害
320nm以下の紫外線の曝露により、角膜炎(かくまくえん)・結膜炎(けつまくえん)がみられます。とくに、雪・氷上作業者にみられる角膜炎・結膜炎を雪眼(せつがん)(炎)、溶接工でみられる角膜炎・結膜炎を電気性眼炎(でんきせいがんえん)と呼びます。
異物感、流涙(りゅうるい)、眼瞼(がんけん)けいれん、羞明(しゅうめい)、眼痛などを来し、眼科的には、結膜充血、びまん性表層性角膜炎(ひょうそうせいかくまくえん)、角膜浮腫(かくまくふしゅ)、虹彩炎(こうさいえん)を認めます。より波長の長い紫外線では、水晶体の混濁を来し、白内障(はくないしょう)を起こすことがあります。
皮膚障害
- UV―A(320~390nm)
曝露直後よりメラニン色素の産生を促します。その結果、炎症を伴わない色素沈着(即時型黒化)をもたらします。曝露中止により数分から15分で消失します。通常、紅斑は認められません。
- UV―B(285~320nm)
曝露後30分~2時間で発赤を生じ、10~24時間でピークに達する紅斑(浮腫や水疱(すいほう)を伴うこともある)が認められます。この急性変化が消退すると、炎症後の遅延型黒化(曝露後5~7日目にピークに達するメラニン色素の沈着)を来します。この黒化は徐々に減少していきますが1カ月余にわたり残ります。
- 285nm以下(UV―Cを含む)
UV―Bと同様に、発赤・紅斑・色素沈着を引き起こします。紅斑の出現はUV―Bより早く(約8時間)、脱毛・皮膚炎・潰瘍を生じることもあります。
- 発がん
顔面や頸部(けいぶ)に皮膚がん(扁平上皮(へんぺいじょうひ)がんや有棘(ゆうきょく)細胞がん)を誘発することがあります。主に、UV―Bが原因となります。
治療の方法
紫外線曝露からの離脱が最も重要です。眼障害や発がん以外の皮膚障害は、対症療法が中心となります。皮膚がんは、進展度に応じた治療が必要です。
予防対策
紫外線の強い場所では、サングラスや日焼止めクリームの使用が必要です。
11月29日
色覚異常とは色の見え方・感じ方が、多くの色覚正常といわれる人とは異なっている状態
色覚以上とはどんな病気か
色覚とは
眼のなかで光を感受する網膜には、短・中・長波長の3種類の光を吸収する視物質をもつ錐体(すいたい)細胞があります。
外界から入る色の情報は、この3種類の錐体の相対的な活動性の違いとして感受され、小型の網膜神経節(もうまくしんけいせつ)細胞を介し、大脳の第一次視覚野(しかくや)に伝えられ、私たちは最終的には色覚中枢で色を感じます。これが色の感覚、すなわち色覚です。
色覚として感受するすべての色は、これら3種類の錐体が司る3原色を組み合わせることで表現できます。この色覚の特性は、錐体細胞に視物質を発現させる遺伝子の特性で決っています。
色覚の遺伝子
光を感受する視物質は、オプシンという膜蛋白質とレチナール(ビタミンA誘導体)が結合した物質です。主に、短(419nm)・中(531nm)・長波長(558nm)の3種類の光を吸収します。
オプシンには、桿体(かんたい)(神経細胞)に発現するロドプシン、錐体に発現する青錐体オプシン・緑錐体オプシン・赤錐体オプシンの4種類があります。
ロドプシンは第3染色体、青錐体オプシンは第7染色体に配置され、緑・赤錐体オプシンはX染色体に配置されています。X染色体上で、ひとつの赤錐体オプシンの下流に緑錐体オプシンが1コピーないし数コピー配置されています。これらのオプシンのうち、色覚に関与するのは3原色に相当する錐体オプシンです。
私たちが属する哺乳類は、実は多くが2種類の錐体オプシンしかもちません。これは、3ないし4種類の錐体オプシンをもつ脊椎(せきつい)動物では例外的です。
しかし、哺乳類のなかで霊長類に属するサルとヒトだけが、もうひとつのオプシンを再び獲得しています。それがX染色体上に緑・赤のオプシンが並んで配置され、この2つのオプシンの形がほとんど同じで、主に2カ所のアミノ酸が異なることで吸収波長が微妙に変わる理由かもしれません。
この遺伝子に変異が生じると、オプシンの発現が止まったり、異なる波長を吸収する視物質になったりします。これがいわゆる色盲(しきもう)と色弱(しきじゃく)です。日本人男性の5%、白人男性の8%に、赤と緑の混じる色を区別しにくい視覚特性(先天性赤緑色覚異常(せきりょくしきかくいじょう))をもつ人がいます。この特性が多く存在するのは、遺伝子の配置の特徴からきているのかもしれません。
色覚異常の分類
色盲は俗語で、一般には色覚異常と同義に使われていますが、医学的には色覚異常を2色型色覚(色盲)と異常3色型色覚(色弱)に分類して区別します。
さらに原色の種類から、赤色の異常を第1、緑色では第2、青色では第3として、たとえば赤色の色覚異常を第1異常とし、第1色弱と第1色盲とに分類します。また、眼の病気で、後天的に錐体細胞や網膜神経節細胞の異常から色覚に影響する時は青色の色覚に変化が出やすく、第3異常を示すことが多いとされます。
検査と診断
仮性同色表
色の感じ方を表現するのには、色相(しきそう)(色の波長)、明度(色の明暗)、彩度(さいど)(色の濃度)を用います。
色相は、判別しやすい組み合わせを対角上に配した環状で表現され、色相環(しきそうかん)を形成します。色覚異常があると色相環がある方向に圧縮され、判別困難になります。これを混同軸の発生といいます。第1・2異常(赤緑色覚異常)では赤と緑が、第3異常(青黄(せいおう)色覚異常(いじょう))では青色と黄色が混同軸になります。この混同軸上の混同色を利用した検査が仮性同色表です。
世界的に評価を受けている石原式色覚検査表は検出感度が高く、スクリーニング(ふるい分け)として最もポピュラーです。ほかに、実用的な面から標準色覚検査表、東京医科大学式色覚検査表、大熊式色覚検査表が考案されています。
しかし、仮性同色表は混同軸の存在を発見しやすい反面、分類や程度判定には不向きな方法です。
色相配列試験
色相環を色相順に並べさせるのが色相配列試験です。
色相環のゆがみの程度を、混同軸方向での誤答頻度として判定できるため、程度判定として用いられます。逆に軽度の異常は見逃してしまうので、スクリーニングには用いられません。
色相環を15の小さい環(わ)で完成させるパネルD15が最も簡便で広く用いられますが、より厳密な試験として、色相(hue)を10個に分け、さらに10個に細分割して配列試験を行う100―hue テストがあります。
色合わせ試験
前述の2つの試験で、混同軸の存在と程度を分類すると、最終的にどの遺伝子の変異がどの程度起こっているかを決定する段階に入ります。これが、現実にどの色を同じと感じるかという色合わせ(混色)試験で、色覚異常つまり色盲色弱の確定診断になります。
色合わせは、3原色によってすべての色を表現できるという原理から、任意の2原色を用いて、その軸上の色合わせ(混色)が可能です。しかし、実際は赤緑色覚異常が多いことから、レーリー均等と呼ばれる赤色と緑色の混色と黄色を、どの程度の混色比で判別可能かを試験します。多くはアノマロスコープを用いて検査します。
オプシンを発現しない色盲では、混色比をいずれにしても黄色に感じます。黄色が一定の明るさで均等になると第2色盲で、均等になる混色比と黄色の明るさとが関係する場合は第1色盲になります。
変異オプシンを発現する色弱では、混色比と黄色の明るさが正常とは異なる位置を示し、位置から第1色弱と第2色弱が判別されます。
ランタンテスト
交通関係者の信号灯の色光識別能力に関する職業適性判定検査として、ランタンテストがあります。ランタン型の色覚検査器で色光などの色指標を与え、色名で答えさせる試験です。被験者が納得できる点で、説得力のある方法です。
病気に気づいたらどうする
先天性色覚異常のなかで多いものは赤緑色覚異常です。X染色体上に変異があるので伴性遺伝(はんせいいでん)をします。日本では男子で5%、女子で0・2%に発現し、女性には保因者が存在します。第2異常が、第1異常の3倍多く出現します。色覚異常は遺伝子の変異であるため、治療法はありません。
2002年までは学校健診で色覚検査が行われていたため、異常が見つかった人が色覚異常の確定診断のために眼科を訪れていました。しかし、確定診断に必要なアノマロスコープを装備する眼科は多くないため、実際は不十分な診断が行われ、非常に問題でした。
2003年以降、学校健診での色覚検査は廃止され、希望者のみが検査を受けるようになりました。検査で異常が出たら、専門の医療機関で遺伝子相談や職業適性についてのアドバイスを受けることが可能になっています。
11月29日
視神経炎とは眼球後方の視神経に起こる炎症による視機能障害のこと
眼球でとらえた視覚情報は、眼球から後方に延びる視神経を通じて大脳の後頭葉(こうとうよう)にある視覚中枢(しかくちゅうすう)へと投影されます。視神経炎は、眼球後方の視神経に起こる炎症による視機能障害のことで、球後視神経炎(きゅうごししんけいえん)とも呼ばれます。
片眼性に進行する視力低下を特徴とし、眼球の奥に痛みを伴うことが多いとされています。全身の神経の多発性、再発性の炎症(多発性硬化症(たはつせいこうかしょう))の初発症状として発症することもあり、注意を要する病気です。また、両眼性に移行することもあります。
日本での頻度は、10万人に1人と報告されています。やや女性に多く、発症年齢は20~30代に多いとされますが、小児や60代での発症の報告もあります。
原因は何か
不明です。視神経のまわりを取り囲む髄鞘に対する炎症により髄鞘(ずいしょう)が障害され(脱髄(だつずい)という)、視神経機能に障害が起こります。髄鞘の構成蛋白に対する自己免疫の関与が考えられています。何らかのウイルス感染の関与も考えられています。
症状の現れ方
片眼に、数日~1週間くらいの間に進行する、比較的急激な視力低下で発症します。見ようとする部位(視野の中心)が見えない中心暗点を示すこともあります。
また、眼を動かすと眼の奥が痛むこと(眼球運動で増悪する球後痛(きゅうごつう))が特徴的で、米国での調査では92%に球後痛が認められています(日本人ではやや少ないとされている)。この球後痛は、視力障害に先立って自覚されることも多く、重要な自覚症状といえます。
脱髄の特徴として、入浴や運動など体温が上昇した際に見えにくくなることも知られています。
検査と診断
急性期には、眼底検査で視神経乳頭(ししんけいにゅうとう)の腫脹(しゅちょう)が認められることが多いのですが、炎症が眼球より後方の視神経に限られている場合には、眼底はまったく正常の所見を示します(慢性期には視神経萎縮(いしゅく)を示す)。
片眼性の場合は、瞳孔(どうこう)の対光反応に左右差があることが特徴的で、診断上、大変重要です。
画像診断では、眼窩部(がんかぶ)や頭部のMRI検査が有用で、眼球後方の視神経の腫大や高信号、造影効果などとして描出されます。また頭部MRI検査で、多発性硬化症の所見である側脳室(そくのうしつ)周囲の高信号域(脱髄巣(だつずいそう))の有無を確認しておくことが予後を検討するうえで重要です。
治療の方法
米国での多施設調査では、発症1年後の視力予後は、未治療でも93%が視力0・5以上に、69%が視力1・0以上になり、0・1以下の視力は3%であるとの結果でした。この割合は、現在おもに使われている副腎皮質ステロイド薬の点滴・内服治療をした場合もほぼ同等で、副腎皮質ステロイド薬による治療は基本的に視力予後には関係しないという結果でした。
ただし、副腎皮質ステロイド薬の点滴治療(その後内服治療に移行)は、視機能の回復を早める、また少なくとも将来2年間の多発性硬化症の発症率を下げる、といった効果があるとされています。そのため、両眼性の症例、高度に視力低下のある症例、多発性硬化症への移行が疑われる症例(初発時にMRIで側脳室周囲の高信号域が2個以上認められる場合)では、積極的に検討されるべきだと考えられています。
一方で、副腎皮質ステロイド薬の経口内服単独治療(点滴をしないで初めから内服だけ)は、視神経炎発作の再発を誘発するとの結果が出ており、一般的には推奨されていません。また、副腎皮質ステロイド薬の点滴をした場合でも、3年後の視機能および多発性硬化症への移行率は、未治療群とほぼ同等になるという報告もあり、その効果は一過性と考えられています。
副腎皮質ステロイド薬以外では、神経保護目的でビタミンB12製剤の内服投与を行います。
多発性硬化症に基づく視神経炎のために、高度の視力障害を起こす難治性再発性の場合は、副腎皮質ステロイド薬の反応も悪く、長期間の投与により副作用も懸念されることがあります。その場合は、インターフェロンβ(ベータ)―1b治療が再発増悪の抑制に有効であるという報告があります。
病気に気づいたらどうする
眼球運動で増悪する球後痛は大変重要な自覚症状であり、急激に進行する視力障害を伴う場合は、すみやかに眼科専門医の診察を受けるようすすめます。
治療方針についてはMRI検査なども参照のうえ、主治医とよく相談します。18・6%に再発がみられ、28・2%は両眼性に移行することが報告されており、視力が回復したあとも定期的な経過観察が必要です。
11月29日
視神経管骨折とは眉毛外側部を強打することで生じる視神経管が損傷すること
眉毛外側部を強打することで生じる視神経管の損傷です。
原因としては、交通外傷、墜落事故などがあります。
症状の現れ方
受傷直後に生じる視力の低下、視野障害、直接対光反射の減弱を起こします。
検査と診断
眉毛外側部に外傷がある場合は、視神経管骨折が強く疑われます。ペンライトで瞳孔に光を入れる対光反射の検査、細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査、眼底・視力・視野の検査、さらに視神経管撮影、CT、MRIなどの画像診断を行います。
治療の方法
全身状態が許すかぎり、高張浸透圧(こうちょうしんとうあつ)(グリセオール、マンニトール500ml/日投与)とし、ステロイド薬の大量療法から漸減(ぜんげん)療法あるいはパルス療法(ステロイド薬の投与を大量・短期間行うこと)を開始することが多くなっています。しかし、画像診断上、視神経管の明らかな損傷をみた場合は外科的手術が必要になることがあります。
応急処置はどうする
早急に医療機関を受診するようにしてください。
11月29日
斜視とは、眼球の方向(眼位)が、光が正常に入射してくる軸に対して常にずれている状態のこと
斜視とは、眼球の方向(眼位)が、光が正常に入射してくる軸に対して常にずれている状態のことです。片眼のみが斜視の状態(これを恒常性(こうじょうせい)斜視と呼ぶ)が続くと、眼の奥に像を正常に結ぶことができないために、視力の発達が損なわれます(斜視弱視(しゃしじゃくし))。また、そのままだと物が2つに見えるため、頭のなかで斜視眼の像は打ち消されるようになり、両方の眼で見る機能(両眼視機能)の発達が損なわれることにもなります。
斜視があっても、斜視眼が切り替わる場合(これを交代性斜視と呼ぶ)は、両眼に均等に視覚入力があるため、両眼視は悪くても、視力的な予後は良好です。
斜視は原因によりいくつかの種類に分類されます。以下に主な種類を示します。
さまざまな斜視
乳児内斜視(にゅうじないしゃし)
出生6カ月以内に斜視が明らかになった、内向きの斜視(内斜視)です。角度が大きく、左右の眼で交互に物を見ている場合が多いです。早期に手術することにより、両眼で物を見ることができるようになりますが、立体的に物を見る力(立体視)は不良のことが多いようです。
間欠性外斜視(かんけつせいがいしゃし)
斜視の場合とそうでない場合が混在している状態です。斜視でない状態(正位)の時は正常な視覚入力が得られるため、斜視の状態が短ければ、一般的に両眼視機能は良好です。小児の外斜視は、ほとんどがこのタイプです。正位に保つのが困難になると、恒常性外斜視となります。成人の外斜視は、これが原因でなることが多いです。
調節性内斜視(ちょうせつせいないしゃし)
中等度の遠視のため、物を見る時に過度の調節が必要となり、眼球が内斜することによって起きます。2歳以降に発症することが多い斜視です。始めは時々眼が内に寄る間欠性内斜視の状態であることが多いようです。遠視を完全に矯正した眼鏡を装用すると、正位になることが多いです。しかし、眼鏡でも斜視が十分矯正(きょうせい)できない場合は手術が必要になります。
廃用性斜視(はいようせいしゃし)
先天性の白内障(はくないしょう)や眼底疾患などにより、視覚入力が妨げられた状態が長く続くと、黄斑部の機能は使われなくなり、斜視が起きます。
偽内斜視(ぎないしゃし)
眼の位置は正常ですが、乳幼児の場合、鼻根部(びこんぶ)の皮膚の発達が足りないために、外見上内斜視に見えるもので、斜視ではありません。一般的に治療は不要ですが、間欠性内斜視の場合があり、注意が必要です。フラッシュをたいた顔写真を撮っておくと、あとで眼科を受診する際に役立ちます。
治療の方法
一方の眼のみが常に斜視になっている場合は、放置しておくと弱視になるため、早急な治療が必要とされます。治療は遮閉具(しゃへいぐ)により正位の眼を遮閉して、斜視眼を多く使用させ、視機能の発達を促す方法が中心となります。
交代性斜視の場合は、弱視にはなりにくいですが、両眼視機能の発達が妨げられるため、早期(2歳前)に手術が必要になります。
内斜視の場合は、遠視による調節性内斜視の要因がないか、眼科医による早めのチェックを受ける必要があります。
間欠性の外斜視に関しては、外見的に目立つようであれば、小学校入学前に手術を行います。成人で眼が疲れやすくなったり、物が2つに見える場合も手術の適応になります。
手術は、眼球を動かす筋肉の付着部をずらすことにより行いますが、斜視の角度を精密に測定したうえで、何mmずらすかを決定します。
斜視は弱視や両眼視異常につながることがあるため、早期発見、早期治療が重要になります。
11月29日
硝子体混濁は血管のない透明な組織が硝子体ににごりが生じ、光がさえぎられて、網膜にうまく届かなくなるので、飛蚊症・霧視・視力低下などを起こします
硝子体は本来、血管のない透明な組織ですが、さまざまな原因で硝子体ににごりが生じて、光がさえぎられて、網膜(もうまく)にうまく届かなくなるので、飛蚊症(ひぶんしょう)・霧視(むし)・視力低下などを起こします。
原因は何か
硝子体混濁の原因はさまざまですが、ぶどう膜炎などの炎症性疾患が最も頻度の高い原因です。炎症性疾患には、ベーチェット病・サルコイドーシスなどの非感染性の疾患と、真菌性眼内炎(しんきんせいがんないえん)・桐沢型(きりさわがた)ぶどう膜炎(急性網膜壊死(もうまくえし))・外傷後細菌性眼内炎などの感染性の疾患があります。
中高年の硝子体混濁のなかには、ぶどう膜炎に類似した眼症状を示す悪性疾患、いわゆる仮面症候群のこともあるため注意が必要です。
症状の現れ方
疾患にもよりますが、感染性のものは急性の経過をとることが多く、非感染性のものは比較的ゆっくりした慢性の経過をとるものが多い傾向にあります。仮面症候群のなかには、全身症状より先に、眼の症状を示すこともあります。
検査と診断
治療方針を決めるうえでも、硝子体混濁の原因を特定することは重要です。しかし、硝子体混濁が高度の時は、通常の眼底検査をしても混濁にはばまれて眼のなかの状況が明らかでないことが多く、原因の特定は困難です。そこで、超音波断層検査や光刺激による網膜の電気的な反応を検査して、網膜の状態を調べたり、血液検査や胸部X線検査、ツベルクリン検査などを行って全身疾患の有無を調べて原因を探ります。場合によっては、内科や呼吸器科など眼科以外の科に受診してもらうこともあります。
最近では、硝子体の混濁を手術によって直接取り、混濁中の細胞などを調べることで原因を特定することも行われます。また、他眼の状態も参考になります。
治療の方法
真菌性眼内炎には抗真菌薬投与、桐沢型ぶどう膜炎には抗ウイルス薬投与といった混濁の原因疾患の治療が基本です。しかし、非感染性のものでは、原因疾患の特定は容易でないことも多く、主に対症療法として、ステロイド薬や免疫抑制薬の投与を行います。ステロイド薬は、症状の程度や原因によって、点眼・結膜下注射・テノン嚢(のう)下注射・内服・点滴などで投与します。
最近では、硝子体生検によって原因を特定することを目的にした診断的硝子体手術のほか、硝子体混濁を手術的に除去して症状の改善を図ろうとする治療的硝子体手術も行われています。
病気に気づいたらどうする
硝子体混濁が強くなってからでは、眼底検査をしても網膜の状態がよくわからず、原因の特定が難しくなることがあります。すみやかに眼科を受診することが必要です。
11月29日
硝子体出血はさまざまな部位からの出血が、硝子体腔のなかにたまった状態
さまざまな部位からの出血が、硝子体腔のなかにたまった状態を硝子体出血といいます。出血自体は、短期で止まることがほとんどですが、硝子体はゼリー状のどろっとした組織なので、このなかに出血がとどまると、吸収には2~3カ月かかるのが普通です。
硝子体は本来、血管のない透明な組織ですが、光が出血によってさえぎられて網膜にうまく届かなくなるので、飛蚊症(ひぶんしょう)・霧視(むし)・視力低下などを起こします。
原因は何か
硝子体出血の原因はさまざまです。最も多いのは、網膜新生血管(もうまくしんせいけっかん)の破綻(はたん)による出血です。糖尿病網膜症(とうにょうびょうもうまくしょう)・網膜静脈閉塞症(もうまくじょうみゃくへいそくしょう)などの、網膜の血のめぐりが悪くなる病気では、網膜の栄養を補おうとしていろいろな場所に新生血管ができてきます。これらは、本来の血管と異なって破れやすく、硝子体の引っ張りによって容易に出血を起こします。また、こうした新生血管がある部位では、硝子体と網膜の癒着(ゆちゃく)も強いことが多く、硝子体の引っ張りによって網膜に破れをつくり、網膜剥離(もうまくはくり)が起こることもあります。
前項で説明したように後部硝子体剥離が起こる時にも、硝子体出血を起こすことがあります。この時の出血には、網膜に破れをつくり、その部位にある網膜血管が断裂して起こるものと、網膜の破れを伴わないものの2種類があります。
加齢黄斑変性(かれいおうはんへんせい)や網膜細動脈瘤(もうまくさいどうみゃくりゅう)などによる網膜の下の大量出血や、くも膜下出血が硝子体腔に回って硝子体出血になることもあります。
症状の現れ方
出血が少量の時は、硝子体中の出血が網膜に影を落として、飛蚊症を自覚します。突然、「墨を流したような影」を自覚したとの訴えがよく聞かれます。大量の時は光がさえぎられてしまい、霧視や視力の低下を起こします。
検査と診断
治療方針を決めるうえでも、硝子体出血の原因を特定することは重要です。しかし、硝子体出血が大量の時は、通常の眼底検査をしても、出血にはばまれて、眼のなかの状況が明らかでないことが多く、原因の特定や網膜剥離を併発しているかどうかの判定が困難であることが多いのです。そこで、超音波断層検査や光刺激による網膜の電気的な反応を検査して網膜の状態を調べたり、全身検査を行って糖尿病・高血圧・血液疾患などの有無を調べます。また、出血を起こしていないほうの眼の状態も参考になります。
治療の方法
硝子体出血を起こしている原因疾患、その治療状況、網膜剥離の有無などによって、治療方針が変わってきます。
出血の自然吸収を待つ場合もありますが、網膜剥離が疑わしい場合や、糖尿病網膜症でレーザー治療が不十分な場合などは、できるだけ早く硝子体手術を行って、硝子体出血を取り除き、網膜剥離を元の状態に戻す手術を併用したり、糖尿病網膜症に対するレーザー治療などを徹底的に行うことが必要です。原因疾患によっては、治療が遅れると新生血管緑内障などを引き起こして、失明に至る危険性もあります。
全身疾患を背景とする場合も多いので、その治療も並行して行うことが必要です。
病気に気づいたらどうする
硝子体出血の原因はさまざまで、こじらせると失明の危険もあるため、すみやかに眼科を受診することが必要です。
11月29日
真菌性眼内炎は全身状態が悪いことや免疫能の低下などから、眼科受診が遅れて失明に至ることもある
中心静脈高カロリー輸液(IVH)が使用されるようになってから、真菌性眼内炎が増加し、その原因の大部分がカンジダ・アルビカンスといわれています。患者さんの全身状態が悪いことや免疫能の低下などから、眼科受診が遅れて失明に至ることもあり、注意が必要です。
症状の現れ方
発病の初期は、自覚症状がほとんどありません(時に軽い飛蚊症(ひぶんしょう)を訴える)。しかし、この時期に眼科検査を行うと、前房(ぜんぼう)や硝子体(しょうしたい)に炎症細胞が、眼底には小円形の滲出斑(しんしゅつはん)が認められます。
進行すると、滲出斑は増加し、網膜出血もみられるようになり、飛蚊症が増加したり、かすんで見える霧視(むし)を自覚するようになります。さらに進行すると、硝子体の混濁が強くなり、眼痛が現れます。やがて、眼底は硝子体混濁のため見えにくくなり、前房蓄膿(ちくのう)や続発性緑内障(りょくないしょう)が現れます。
検査と診断
大部分は、病歴や症状、所見からほぼ診断することができますが、硝子体液を採取して、塗抹標本や培養で真菌を検出することが確定診断に結びつきます。真菌血症の検出、カテーテル先端からの真菌分離なども診断の一助になります。
治療の方法
眼内炎の病期にもよりますが、まず保存的に抗真菌薬を投与します。眼底が比較的よく見えるようになるまでは、保存療法を中心に治療を行いますが、進行するようであれば、硝子体手術を併用しなければなりません。水晶体切除も行い、周辺部まで十分に硝子体を切除するのがよいといわれています。
病気に気づいたらどうする
必ず、眼科専門医を受診してください。
11月29日
真菌性眼内炎とは何らかの原因で、真菌(しんきん)(カビ)が眼のなかに入り炎症を起こすこと
何らかの原因で、真菌(しんきん)(カビ)が眼のなかに入り炎症を起こすものです。真菌による眼の感染症と位置づけられます。健常な人や眼科手術をしたことのない人に発症することはほとんどありません。
早期に発見し適切な治療を受けることにより、多くの場合障害を残しません。しかし、発見が遅れた場合、あるいは全身状態が非常に悪い場合などでは、眼のなかで真菌が増えてしまい、失明に至る場合もあります。
原因は何か
原因としては、
- 外傷や手術の傷口から眼のなかに真菌が侵入する場合(外因性)
- 体のどこかに原因となる真菌が存在し、それが血液により眼内に転移してくるもの(内因性・転移性)に分類できます。
内因性の場合、ほとんどの患者さんで、何らかの全身的な因子、たとえば
- 体が弱り、免疫力(病原体に対して攻撃し、自分を守る力)が落ちている
- 抗がん薬投与を受けている
- 治療のために血管内カテーテル(栄養のチューブ)が挿入されている、などが認められます。
とくに、現在問題となっているのは、内因性のもので血管内カテーテル留置のある患者さんの場合です。以下に、この内因性真菌性眼内炎について述べます。
症状の現れ方
内因性真菌性眼内炎の場合、眼の症状が出る前に、ほとんどの患者さんで全身真菌症による発熱などの全身症状があります。
この発熱などが続いたあと、1週間前後で虫が飛んでいるように見える飛蚊症(ひぶんしょう)や、霧がかかるように見える霧視(むし)などの初期の症状を自覚します。眼内で炎症が悪化すれば、視力の低下を自覚するようになり、眼の充血・痛みも生じてきます。この時点でさらに放置すると、高度の視力低下に陥り、恒久的(こうきゅうてき)な視機能(しきのう)障害を残します。
一般的に内因性真菌性眼内炎は、程度の差こそあれ、両眼に生じることが多いのが特徴です。
検査と診断
診断にあたって最も大切なことは、全身的要因があるかどうかを知ることです。とくに血管内カテーテルの使用の有無、発熱の有無などは大切な情報です。
これらの情報を得たあとに、細隙灯(さいげきとう)検査と、散瞳(さんどう)(瞳を広げること、いわゆる黒目を大きくすること)による精密眼底検査を行います。熟練した眼科医が、眼底の特徴的な黄白色の円形滲出斑(しんしゅつはん)を認めれば、診断はそれだけで可能です。
とくに、眼内炎(がんないえん)を起こす真菌としては、カンジダと呼ばれる種類が圧倒的に多く、真菌性眼内炎の90%を占めます。この真菌の感染を調べる血清学的検査(β(ベータ)―グルカン、カンジダ抗原)が陽性であれば、診断の大きな助けとなり、さらに血液やカテーテル、硝子体(しょうしたい)(眼のなかのゼリー状の物質)から採取したサンプルから真菌そのものが検出されれば、診断は確定されます。
区別すべき病気としては、細菌性の眼内炎、悪性リンパ腫などが問題となります。
治療の方法
内因性真菌性眼内炎の治療の第一は、抗真菌薬の大量点滴療法です。現在、米国の感染症学会の勧告では、6~12週間の治療が必要と考えられており、眼底の病変が消えるまで治療が続行されるべきであるとされています。早期~中期の状態であれば、この点滴療法で多くの場合は治ります。
抗真菌薬として、日本ではトリアゾール系薬剤のジフルカンがよく使用されます。眼内に薬が届きやすく、カンジダに効果があるという特徴があります。
しかし、より進行し、すでに視力障害が生じている場合は、点滴療法と硝子体の手術が必要になることが多く、治療しても高度の視機能障害が残る可能性があります。ただし、この硝子体手術については、いまだ厳密な意味での有効性は確認されていません。
病気に気づいたらどうする
この病気でいちばん問題となるのは、先に述べた免疫力が弱っている患者さんや、血管内カテーテルが留置されている患者さんの場合です。発熱があり、そのあと飛蚊症、霧視などの症状があれば、主治医、看護師に申し出て、眼科を受診してください。視機能障害を残さないためには、早期の発見・治療が大変重要になります。
11月29日
新生血管黄斑症(しんせいけっかんおうはんしょう)、加齢黄斑変性症(かれいおうはんへんせいしょう)とは、新生血管は水がもれやすい、出血しやすいなどの性質があるため、網膜の下や網膜色素上皮の下に水や血液がたまり、網膜の下にたまれば網膜剥離(もうまくはくり)、網膜色素上皮の下にたまれば網膜色素上皮剥離を起こして、網膜の機能が損なわれます
新生血管黄斑症は、脈絡膜(みゃくらくまく)から新生血管(正常では存在せず、新たに発生してくる異常な血管)を生じる病気です。脈絡膜新生血管はほとんどの場合、黄斑部と呼ばれる眼底の中心部で起こります。
新生血管は水がもれやすい、出血しやすいなどの性質があるため、網膜の下や網膜色素上皮の下に水や血液がたまります。網膜の下にたまれば網膜剥離(もうまくはくり)、網膜色素上皮の下にたまれば網膜色素上皮剥離を起こして、網膜の機能が損なわれます。
新生血管黄斑症にはいくつかの種類がありますが、代表的なのが加齢黄斑変性症です。これは、欧米ではすでに中途視覚障害の原因としては第1位を占めています。日本でも増加傾向がみられることから、今後ますます重要な病気になってくるでしょう。
原因は何か
加齢黄斑変性症は、加齢による網膜色素上皮、脈絡膜の機能低下が誘因となって起こります。そのほかに、原因が不明で比較的若い人に起こる特発性(とくはつせい)新生血管黄斑症や、強度近視に伴って起こるものなどがあります。加齢黄斑変性症では遺伝子の影響もあるようです。
症状の現れ方
一般に、症状はゆっくりと現れます。物がゆがんで見える(変視症(へんししょう))、物が小さく見える(小視症(しょうししょう))、中心が見えにくい(中心暗点)などが初期には多い症状です。多くの場合、視力も徐々に低下します。
新生血管が中心から離れていると症状はあまり出ませんが、突然大量の出血を起こしたりすると、急激な視力低下が現れることもあります。
検査と診断
眼底検査、蛍光(けいこう)造影検査、OCT(光学的干渉断層計)などで診断されます。眼底検査だけでは新生血管を確認することができないことも多く、そのため蛍光造影検査がとくに重要になります。蛍光物質として、フルオレスセインとインドシアニングリーンの2種類が使われます。
治療の方法
加齢黄斑変性症は、人によって重症度や進み方がかなり違います。軽症のままほとんど進まない人もいますが、進行していく人もたくさんいます。
進行する場合、治療はなかなか難しい病気です。レーザー光凝固術(ひかりぎょうこじゅつ)、薬物治療などが一般的に行われていますが、治療にもかかわらず進行していく例が少なくありません。
最近では温熱療法、光線力学療法など新しい治療法も試みられていますが、特効的な治療は今のところ見いだされていません。網膜をずらして中心部の位置を正常な網膜色素上皮の上に移動する手術も一部の人には有効ですが、一般的に行われているわけではありません。
病気に気づいたらどうする
眼科専門医の診断を受ける必要があります。できるなら、ある程度この病気を専門にしている眼科医のいる病院を受診することをすすめます。この病気は症状や経過がさまざまで、万人に効くという治療法はありませんが、人によっては有効という治療法もあるからです。
11月29日
弱視とは視覚の感受性期(8歳くらいまで)の期間内に、網膜(もうまく)上に鮮明な像が結ばないことにより、視覚中枢の発達が妨げられて、視力が出にくい状態のこと
弱視とは視覚の感受性期(8歳くらいまで)の期間内に、網膜(もうまく)上に鮮明な像が結ばないことにより、視覚中枢の発達が妨げられて、視力が出にくい状態をいいます。
たとえば「私の子どもは視力が0・1ないので弱視ではないか」と不安に思われる人もいるかもしれませんが、「裸眼(らがん)視力が0・1ない」ということをいっている場合がほとんどです。眼鏡で矯正(きょうせい)すると視力が1・0以上出る場合は、細かい物を見る力は完成していると考えられ、弱視とはいいません。眼鏡で完全矯正しているのにもかかわらず、視力が出ない状態が弱視です。
弱視にはさまざまな原因がありますが、主なものを以下に示します。
さまざまな弱視
斜視弱視(しゃしじゃくし)
斜視があって、眼が正面を向いていない場合、網膜で最も感度の高い黄斑部(おうはんぶ)に像を結ばなくなり、視機能の発達が妨げられ、弱視となります。正常眼のほうが優位にはたらくため、いつも斜視になっている眼は弱視となってしまいます。斜視については次項で詳しく説明します。
形態覚遮断弱視(けいたいかくしゃだんじゃくし)
先天性白内障(はくないしょう)や、まぶたの腫瘍、眼瞼下垂(がんけんかすい)、眼帯などにより視覚入力が妨げられることによって起きる弱視です。新生児にこのような連関要因がはたらくと、数日間でも弱視化することがあり、注意が必要です。
屈折性弱視(くっせつせいじゃくし)
強度の遠視、乱視などが原因となる弱視です。遠視といえば「遠くがよく見える」というイメージをもっている人も多いと思いますが、視力は近くを見ることにより発達するため、近くにピントの合わない強度の遠視では、視機能の発達が妨げられ、弱視が起きます。強度の乱視も同様です。近視の場合は病的な近視でない限りは近くにピントが合うため、弱視にならないことが多いようです。
不同視弱視(ふどうしじゃくし)
左右の眼の屈折度の差がある程度以上大きくなると、ピントを合わせやすいほうの眼の視覚入力が優先され、ピントを合わせにくいほうの眼(屈折異常が大きい眼)は弱視化します。両眼とも遠視で、左右の屈折度の差が3D(ディオプター)以上になると弱視が起きやすいのですが、片眼のみ強度の近視である場合も弱視となります。
治療の方法
以上主な弱視の種類をあげましたが、弱視の成立の大きな鍵となるのが視機能の感受性です。感受性は出生後上昇し、3カ月くらいでピークをむかえます。1歳半ころまで感受性が高い時期が持続しますが、それ以上は徐々に下降し、6~8歳くらいでほぼ消失します。10歳くらいから弱視の治療を始めても感受性がほとんどないため、効果が得にくいといえます。
弱視の治療法は、視力のよいほうの眼を決められた時間遮閉(しゃへい)して、弱視の眼に完全矯正した眼鏡をかけ、強制的に弱視眼を使わせるという方法が基本です。両眼とも同程度の視力低下がみられる屈折性弱視の場合には、完全矯正した眼鏡をかけるだけでよいです。
早期に治療を開始すれば効果が大きいため、3歳児検診などで異常が疑われた場合は早い時期に精密検査を受けることが重要です。
11月29日
水晶体脱臼、亜脱臼とは水晶体は、チン氏帯と呼ばれる細い糸によって眼球壁に固定されており、そのチン氏帯の一部が切れてしまうこと
水晶体は、チン氏帯と呼ばれる細い糸によって眼球壁に固定されています。眼球を打撲したり、チン氏帯に細かい粉が蓄積する性質の人や、全身の病気と関係してチン氏帯が弱い人などでは、チン氏帯の一部が切れてしまうことがあります(亜脱臼)。すると、その部分で水晶体の支えがなくなるので、固定が不安定になります。この場合、白内障手術は難易度が高くなります。
手術中に水晶体が眼底に落下することもあります。また、最初から全周のチン氏帯が切れていることもあります(脱臼)。どちらの場合も、完全に落下した水晶体とその周囲にある硝子体(しょうしたい)を取り除く必要が生じ、大掛かりな手術になります。眼内レンズも通常の入れ方ができないので、眼球壁に縫いつける方法で固定します。
11月29日
水疱性角膜症は角膜が水ばれして光が通りにくくなるとともに、角膜表面(上皮)にも水がたまって水疱ができる病気のこと
角膜が水ばれして光が通りにくくなるとともに、角膜表面(上皮)にも水がたまって水疱ができる病気です。
原因は何か
角膜の内側に並んでいる内皮細胞の数が減って、角膜に入ってくる眼内の水(房水(ぼうすい))を眼内へもどすポンプのはたらきが低下するのが原因です。角膜の内皮細胞は、生まれてから死ぬまで増えることはないので、遺伝的に内皮細胞が弱かったり(フックス角膜内皮ジストロフィーなど)、外的な原因で内皮細胞が障害されたり(外傷、角膜感染、白内障(はくないしょう)手術、緑内障(りょくないしょう)に対するレーザー治療など)した結果生じます。
症状の現れ方
視力が低下するのはもちろんですが、表面の水疱のために、眼の痛みも伴ってきます。原因によって、両眼性であったり片眼性であったりします。
検査と診断
角膜内皮細胞はそのまま拡大写真が撮影でき、細胞の密度を算定することができます。それによって内皮細胞が少なく、水疱性角膜症になりやすいかどうかを判定します。ただ、水疱性角膜症になってしまうと内皮細胞は撮影できなくなります。
治療の方法
非常に初期には、濃度の濃い生理食塩水の点眼や眼軟膏で角膜中の水分を吸い取ることによって、少し視力がよくなりますが、根本的な治療としては、どうしても角膜移植が必要になります。
11月28日
赤外線障害で生体への影響として、主に眼障害や皮膚障害、熱中症を引き起こします
赤外線は、可視(かし)光線(390~750nm)より長い750~106nmの波長を有する電磁波で、熱線とも呼ばれています。自然界では、太陽放射線が50%以上を占めますが、地上に存在する発熱体からも放射されています。太陽放射線の50%近くは、成層圏で水蒸気や二酸化炭素などに吸収されます。地球そのものも発熱体であり、3000~5000nmの赤外線を放射しています。
赤外線は、その波長により大きく近赤外線(きんせきがいせん)(750~3000nm)と遠赤外線(えんせきがいせん)(3000~106nm)に分けられます。赤外線は、生体への影響として、主に眼障害や皮膚障害、熱中症(ねっちゅうしょう)を引き起こします。皮膚への透過吸収は、近赤外線(とくに、750~1500nm)で最も大きく、深さ30mmにも達します。
障害の現れ方
眼障害
近赤外線
水晶体(すいしょうたい)の白濁を引き起こし、白内障の原因となります。角膜炎(かくまくえん)や結膜炎(けつまくえん)の原因となることもありますが、紫外線と異なり遅発性です。
遠赤外線
網膜火傷(もうまくかしょう)(やけど)や虹彩萎縮(こうさいいしゅく)、黄斑変性(おうはんへんせい)を引き起こします。
皮膚障害
近赤外線
強い透過力で真皮にまで達し、表皮の基底膜細胞や真皮の毛細血管、皮脂細胞を障害する結果、皮膚の肥厚、充血、乾燥(大理石様皮膚あるいは火だことも呼ばれている)を引き起こします。
遠赤外線
熱火傷(ねつかしょう)(やけど)を引き起こします。
熱中症
とくに、多量の発汗に伴って、水分を頻回に摂取した時に発症する熱けいれんに注意する必要があります。
治療の方法
赤外線曝露(ばくろ)からの離脱が最も重要です。眼障害や皮膚障害、熱中症では、重症度に応じた治療が必要です。
予防対策
赤外線が発生する職場では、赤外線発生源の遮断、赤外線発生源の遠隔操作、遮熱保護眼鏡の使用、遮熱保護衣服や遮熱保護手袋の着用、作業場近くに冷房室を設備するなどの対処が必要です。
11月28日
赤緑色覚異常とは、X染色体上に存在する赤(せき)・緑視(りょくし)物質遺伝子の異常によって発症する色覚異常
赤緑色覚異常は、X染色体上に存在する赤(せき)・緑視(りょくし)物質遺伝子の異常によって発症する色覚異常です。色覚異常とは、色の見え方・感じ方が、色覚正常といわれる人とは異なる状態をいいます。
日本人の場合、男性の20人に1人、女性では500人に1人の割合で発症するといわれています。
症状の現れ方
赤緑色覚異常では、緑から赤までの色、つまり、緑色・黄緑色・黄色・橙色・赤色での色の差が少なく、鮮やかさが少ない色と感じられています。日常生活で支障を来すことは少ないとされていますが、間違えやすい色の組み合わせや状況があります。
色の組み合わせでは、赤色と緑色、橙色と黄緑色、赤色と橙色、緑色と黄緑色などの識別が困難であり、また暗緑色と茶色、桃色と灰色、緑色と灰色、青色と紫色なども見分けづらくなります。
色を誤認しやすい状況としては、暗い環境、対象物が小さい時、集中力を欠いている時、急いでいる時、疲れている時などがあります。
検査と診断
スクリーニング検査は色覚検査表によって行います。さらに、アノマロスコープという検査で確定診断を行います。
治療の方法
現在、赤緑色覚異常に対しての治療法はありません。検査結果から色覚異常の程度を明らかにし、誤認が起こる可能性のある色、色の誤認が起こりやすい状況などを理解することが大切です。
11月28日
先天緑内障とは胎生期における隅角の発達異常により、房水の流れる線維柱帯の機能が生まれつき低下しており、房水を排出する機能が悪くなる
先天緑内障では胎生期における隅角(ぐうかく)の発達異常により、房水(ぼうすい)の流れる線維柱帯(せんいちゅうたい)の機能が生まれつき低下しており、房水を排出する機能が悪くなります。その結果、著しい高眼圧となります。子どもでは眼の組織が軟らかいため、眼圧が高くなると眼球、とくに角膜が大きくなり、牛眼ともいわれます。全身先天異常の有無によって原発性と続発性に分類されます。
原因は何か
ほかの眼組織の異常や全身の先天異常を伴わない場合は、原発先天緑内障といいます。頻度としては出産1万~1万2500人に1人といわれています。生後3カ月以内に診断されたものは90%が両眼性です。3カ月~3歳までの間に診断されたものでは60%が両眼性です。そのほか、眼球の先天発達異常を伴うものや、母斑症(ぼはんしょう)や代謝異常など全身の先天異常を伴う場合を続発先天緑内障といいます。
眼球では角膜や虹彩(こうさい)の異常、全身的には歯の異常や顔面異常、皮膚の異常など多岐にわたる合併が多くみられます。遺伝性のものも多いですが、遺伝形式は病気によって異なります。
症状の現れ方
乳児が光をいやがったり、涙が多かったり、まぶたのけいれんで気づくこともあります。3歳以下では眼圧が上昇すると角膜が大きくなります。3歳を超えると眼球が発達し、角膜の進展性がなくなっているため眼圧にも耐えることができ、角膜拡大はみられません。したがって、視力低下で見つけることが多く、発見が遅れ予後不良となりやすい傾向があります。片眼性の角膜拡大は発見しやすいのが特徴です。
検査と診断
眼圧検査、隅角検査、視神経乳頭陥凹(かんおう)、角膜径などを検査し、診断します。乳幼児の検査では催眠が必要です。角膜径は新生児で11mm以上、1歳で12mm以上の場合は注意が必要です。
治療の方法
診断が確定すれば、原則として手術療法が行われます。通常、全身麻酔をして、ゴニオトミーまたはトラベクロトミーという、房水の流れが悪くなっている隅角を切り開いて房水流出を改善する手術が行われます。
予後は約8割で眼圧を正常にコントロールできますが、新生児や2歳以降の発症では予後が悪く、角膜径が14mm以上では予後不良とされています。
病気に気づいたらどうする
赤ちゃんで目つきがおかしい、光をいやがる、涙が多いなどの症状ががみられたらすぐに眼科を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
11月27日
前房出血とは外傷により前房中に出血を来す病態のこと
外傷により前房中に出血を来す病態で、程度により治療方法が異なってきます。高眼圧(出血により眼圧が高くなったり)、角膜血染(かくまくけっせん)(角膜が血液により染まる)、再出血などに注意が必要です。
原因は何か
鈍的(どんてき)外傷により眼球が陥没し、虹彩(こうさい)や毛様体(もうようたい)が傷ついて出血します。眼球破裂を来した場合にも、虹彩や毛様体が傷ついて前房出血が起こります。
症状の現れ方
鈍的外傷の直後から、程度の軽いものではまぶしさ、重症のものでは視力の低下が認められます。治療により改善しますが、受傷後2~7日後、再出血を起こすこともあります。
検査と診断
眼球破裂、異物の有無をCTや超音波検査で確認します。
また、視力・眼圧・細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査、眼底検査を行います。
治療の方法
出血の吸収、再出血の予防のため、ベッドを30~45度に傾けて安静にすることが基本です。虹彩炎(こうさいえん)の強い例では散瞳剤(アトロピン点眼)の投与、ステロイド薬の点眼を行います。止血薬の内服などを併用することもあります。また、高眼圧に対しては点眼、内服治療を行います。大量の前房出血、コントロールできない高眼圧、角膜血染を起こした場合は、前房内を洗浄します。
11月27日
続発緑内障は眼のけがや、ぶどう膜炎など眼のほかの病気、糖尿病などの全身の病気、副腎皮質ホルモン薬などの薬物によって眼圧が上昇すること
眼のけが(外傷)や、ぶどう膜炎など眼のほかの病気、糖尿病などの全身の病気、副腎皮質ホルモン薬(ステロイド薬)などの薬物によって眼圧が上昇することがあり、これを続発緑内障といいます。
原因は何か
続発緑内障の原因は多岐にわたりますが、基本的に開放隅角(かいほうぐうかく)型と閉塞(へいそく)隅角型の2つに大きく分けることができます。
開放隅角型の続発緑内障としては、糖尿病に伴うもの、白内障(はくないしょう)やぶどう膜炎などそのほかの眼の病気(炎症)に伴うもの、外傷性のものなどがあります。糖尿病やほかの網膜症(もうまくしょう)では網膜症の悪化により酸素がゆきわたらなくなるために、房水(ぼうすい)の排出口である隅角に新生血管という新しい血管が延びてくることで眼圧が上昇するとされています(血管新生(けっかんしんせい)緑内障)。
白内障やぶどう膜炎は炎症を起こし、眼圧が上がります。外傷性緑内障は眼球を強く打ったあとしばらくしてから、虹彩のつけ根が眼球壁から外れ、線維柱帯(せんいちゅうたい)の機能が悪くなって眼圧が上がります。
高齢者に多くみられる続発緑内障のひとつとして水晶体嚢性(すいしょうたいのうせい)緑内障(偽落屑(ぎらくせつ)症候群)があります。診察では虹彩、水晶体、隅角などにふけ状のものが沈着しているのが観察され(偽落屑)、開放隅角緑内障がほとんどです。高年齢に多く、眼圧が高め(30~40mmHg)なのが特徴です。
閉塞隅角型の続発緑内障としては、水晶体の亜脱臼(あだっきゅう)(水晶体が眼球の内部で外れること)、ぶどう膜炎の炎症により隅角が閉塞した場合、眼球内の悪性腫瘍や網膜剥離などの手術後などがあります。どれも、原因となる疾患によって虹彩が押し上げられ、隅角が閉塞することにより、眼圧が上昇します。
症状の現れ方・検査と診断
もともとの原因となる疾患によって異なりますが、眼圧が上昇し、充血が強く出ることが多くなります。水晶体嚢性緑内障では慢性に進行するため高眼圧のわりに自覚症状が少なく、多くは進行してから見つかります。
視力・視野検査、眼圧検査、眼底検査などを行い、充血や炎症を判断し、原因となる元の病気、合併症についても検査が必要となります。
治療の方法
原因となった病気の種類や、開放隅角型か閉塞隅角型かによって治療法は異なります。原因の病気の治療と眼圧を下降させるために薬物療法、レーザー治療、手術療法を適宜行います。ステロイド薬に起因する眼圧上昇の場合は、可能な場合はステロイド薬をやめることで眼圧が下がることが多いようです。
ぶどう膜炎ではステロイド治療による消炎、血管新生緑内障では網膜へのレーザー治療や手術、水晶体が原因の場合は白内障手術などが必要です。また、水晶体嚢性緑内障ではレーザー治療が有効であることが知られています。原因疾患が鎮静化せず高眼圧が続く時は、降圧のために緑内障手術治療も必要になります。
11月27日
単純近視は眼鏡をかければ視力が1・0以上得られ、視野にも異常がない近視をいい、変性近視は病的近視ともいい、眼鏡をかけても視力が1・0未満しか出ないか、視野に異常が出る近視のこと
単純近視は、眼鏡をかければ視力が1・0以上得られ、視野(見えている範囲)にも異常がない近視をいいます。変性近視は病的近視ともいい、眼鏡をかけても視力が1・0未満しか出ないか、視野に異常が出る近視をいいます。
一般に近視の程度が強くなると、変性近視になる確率が高くなります。日本人ではマイナス8D(ディオプター)以上の強度近視では、変性近視になりやすいと報告されています。
原因は何か
変性近視で視力が低下する理由は、網膜剥離(もうまくはくり)、緑内障(りょくないしょう)、白内障(はくないしょう)、黄斑変性(おうはんへんせい)などがあります。強度近視は眼軸(がんじく)(眼の奥行き方向の長さ)が長くなり、結果として網膜が薄くなります。したがって網膜剥離が起きやすく、また網膜の下に亀裂(きれつ)が入って脆弱(ぜいじゃく)な血管(新生血管(しんせいけっかん))を生じ、黄斑出血が起こって重篤な視力低下が起きることもあります。また、加齢に伴って黄斑部が萎縮(いしゅく)し、視力が低下する場合もあります。
症状の現れ方
変性近視は、中年以降に発症することが多く、眼鏡で矯正(きょうせい)しても視力が出ない場合は注意する必要があります。とくに黄斑変性の初期には、物がゆがんで見える症状が出るので、片目ずつ見て、見え方に変化がないか確かめる必要があります。
検査と診断
網膜剥離、黄斑変性は、眼底検査で診断されます。緑内障は視野検査で、白内障は細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査で診断されます。
治療の方法
眼軸長の延長を止める治療法は、現在のところありません。白内障や網膜剥離による視力低下は、手術により回復させることが可能です。
強度近視に伴う緑内障は眼圧(眼の圧力)が高い場合は点眼薬で治療しますが、眼圧が正常である場合は、循環改善薬の内服薬などが処方されます。新生血管が生じて黄斑出血が起こった場合は、止血のための内服薬が処方されます。また、黄斑移動術という手術が行われる場合もあります。
病気に気づいたらどうする
強度近視の人で、眼鏡を替えても視力が出にくくなった場合は、変性近視が始まっている可能性があるので、早めに眼科を受診してください。
11月27日
大脳視中枢と視機能障害では病側と反対側の視野が両眼性に障害される同名性視野障害(同名半盲など)を起こすことが特徴的
眼球でとらえた視覚情報は、眼球から後方に延びる視神経を通じて大脳の後頭葉(こうとうよう)にある視覚中枢へと投影されます。その途中、脳下垂体(のうかすいたい)の上方で左右眼からの視神経が交わって視交叉(しこうさ)をつくります。視交叉では、両眼の視野の中心に引いた垂直経線から、右側の視野を担当する視神経線維は左側にまとまって左の視索(しさく)を形成し、左視野を担当する視神経線維は同様に右視索を形成し、それぞれ左右の後頭葉視覚中枢(こうとうようしかくちゅうすう)に至ります。
したがって、視索以降の後頭葉視覚中枢の病変では、病側と反対側の視野が両眼性に障害される同名性(どうめいせい)視野障害(同名半盲(どうめいはんもう)など)を起こすことが特徴的です。まれに、両側の後頭葉視覚中枢が障害されると両側の同名半盲、すなわち視野がなくなって見えない状態になり、これは皮質盲(ひしつもう)と呼ばれます。
また、後頭葉視覚中枢に投影された視覚情報は、その周囲(大脳辺縁系(だいのうへんえんけい)と呼ばれる)に運ばれて、それぞれ形態や顔貌(がんぼう)や色、動きなどの視覚情報として二次処理されます。
この部分の障害では、見えているが人の顔や表情がわからない(相貌失認(そうぼうしつにん))、外界の色がなくなり白黒テレビのように見える(大脳性色覚異常(だいのうせいしきかくいじょう))、物体は見えているがそれを指さすことができない(視運動性失調(しうんどうせいしっちょう))などの特異的な症状を示すことが知られており、高次脳機能(こうじのうきのう)障害とも呼ばれます。
原因は何か
後頭葉視覚中枢での出血(血腫(けっしゅ))、梗塞(こうそく)、腫瘍(しゅよう)が主な原因になります。高齢者では、血管障害による梗塞が原因の多くを占めます。若年者でも脳腫瘍や、外傷後の硬膜外血腫(こうまくがいけっしゅ)などが原因になることがあります。
検査と診断
眼科での視野検査で同名性の視野障害が検出されれば、頭部CTやMRIなどの画像診断で原因となっている病巣を確認する必要があります。
治療の方法
この病気の元となった病気の治療が原則です。後頭葉の腫瘍や血腫が原因の場合は脳外科的治療の適応になりますが、脳梗塞の場合は保存的治療となります。
11月27日
中心性網膜症は網膜の後ろにある脈絡膜(ほとんど血管からできている組織)から血漿がもれ出して網膜の下にたまり、網膜がドーム状に剥離する病気
網膜の後ろにある脈絡膜(ほとんど血管からできている組織)から血漿(けっしょう)がもれ出して網膜の下にたまり、網膜がドーム状に剥離(はくり)する病気です。眼底の中心に水ぶくれができた状態といえばわかりやすいでしょう。
原因は何か
本当の原因はよくわかっていませんが、どんな人に起こりやすいかはわかっています。20~40代の働き盛り、男性、正視ないし軽い屈折異常の人(要するに眼のいい人)に起こりやすいことが知られています。忙しい人や忙しい時に起こる傾向がみられるため、ストレスが誘因になるともいわれています。
症状の現れ方
視野の真ん中が何となく見えにくい、黄色く見える、物が小さく見える、ゆがんで見えるなどが現れます。治ったあとも、何となく見えにくいという症状がしばらく続くことが多いようです。治癒と再発を繰り返したり、何年かして再発することもめずらしくありません。
検査と診断
眼底検査でおおよそ診断がつきますが、はっきりさせるには蛍光(けいこう)眼底検査が必要です。どこからもれているのかが明瞭にわかります。血管新生黄斑症(けっかんしんせいおうはんしょう)とまぎらわしいことも多く、区別するためにもこの検査が重要です。
治療の方法
この病気は、元々そんなに性質が悪いわけではなく、たいていは2~3カ月で自然に治る傾向があります。そのため、しばらくの間は経過観察をするのが基本です。循環改善薬、ビタミン剤などの内服で経過をみることもあります。
なかなか治らなかったり、早く治したいという場合にはレーザー光凝固術(ひかりぎょうこじゅつ)を行います。しかし、水もれの部位が中心に近すぎるとレーザー光凝固はできません。
病気に気づいたらどうする
前述したような症状に気づいたら、とりあえずは眼科を受診してください。本当に中心性網膜炎であるなら、それほど心配はいりませんが、もっと性質の悪い病気で似たような症状が出るものもあるので、きちんと診断を受ける必要があります。
11月27日
中毒性視神経症はさまざまな薬物による視神経障害に基づいた中心視力低下を起こす病気
さまざまな薬物による視神経障害に基づいた中心視力低下を起こす病気です。多くは薬物の中止で回復するので、元にもどらないような変化が起こる前に原因の究明と薬物を中止することが大切です。
視神経に障害を与えることが知られている薬物には、抗結核(けっかく)薬であるエタンブトール、シンナーなどの有機溶剤、有機リン(農薬)、抗生剤のクロラムフェニコール、抗不整脈薬のアミオダロン、抗腫瘍薬のビンクリスチン、抗エストロゲン薬のタモキシフェンなどがあります。また、メチルアルコールの誤飲も原因になります。
症状の現れ方
ほとんどの場合で、両眼性に中心部が見えにくくなる中心暗点で発症します。
エタンブトール中毒では、色覚異常や中心暗点以外の視野障害(両眼の外側が見えにくくなる両耳側半盲(はんもう)など)が現れることもあります。
エタンブトール中毒では、発症率は用量依存性があり、1日量25mg/kg以上服用している場合に多いとされています。また、服用から2カ月以内で発症することはまれで、多くは平均約7カ月程度で発症してきます。
検査と診断
他科疾患の治療歴や薬物の服用量・服用期間など、病歴の把握が大変重要です。眼底検査では進行していると視神経の萎縮を呈しますが、初期では変化のないことがあります。視野検査や、視神経機能検査としての中心フリッカーテスト、視覚誘発電位検査などが有用です。
有機リンなど毒物による中毒の場合は、尿検査が診断に有効なことがあります。
治療の方法
早期に原因薬物を中止することにつきます。また、ビタミン製剤(メチコバール、ビタメジンなど)を併用します。ただし不可逆的な変化(医師神経萎縮)が進行してしまった場合では予後が不良になります。
エタンブトール中毒の場合、進行例では服用を中止しても42%しか視力の回復が認められなかった(平均観察期間8・3カ月)という報告があります。
11月27日
突き目とは目を何かで突いたりしたとき、角膜に細菌が感染して潰瘍ができ、急激に悪くなる病気のこと
目を何かで突いたりしたとき、角膜に細菌が感染して潰瘍ができ、急激に悪くなる病気です。
かつて手作業が多かった農村で、稲刈りのときなどに稲穂で目を突いておこることがあったため、俗に突き目と呼ばれます。進行の速い病気で、病変がある程度進行すると、細菌感染が治っても、後に角膜の濁りを残し、視力が低下するので、早期に適切な治療をする必要があります。
症状の現れ方
急激に発病します。はげしい目の痛みとまぶしさがあり、涙が出ます。まぶたははれ、結膜は充血します。はじめは、角膜に濁りがあるだけですが、さらに進むと潰瘍ができ、角膜の後ろの、前房というところに膿がたまり、適切な治療が行なわれないと、角膜に穴があいて失明することもあります。
治療の方法
抗生物質の点眼や眼球への注射、内服、静脈注射を行ないます。目を何かで突いたときは、軽くても眼科医を訪れることが大切です。
11月27日
点状表層角膜症とは角膜の上皮細胞が部分的に脱落した状態でドライアイとコンタクトレンズ障害の原因が多い
角膜の表面は、皮膚の表皮のように上皮という組織でおおわれていますが、この上皮に点状の傷がついた状態を総称して点状表層角膜症といいます。これは、角膜の上皮細胞が部分的に脱落した状態で、炎症のあるなしを問いません。
炎症が強ければ点状表層角膜炎あるいは表層性角膜炎という用語も使用されていますが、最近は点状表層角膜症に統一されてきています。点状表層角膜症は病名ともいえますが、所見を示す言葉でもあります。
原因は何か
原因としては非常に多くのものがありますが、最も多いのはドライアイとコンタクトレンズ障害です。また、角膜ではなく眼瞼結膜(がんけんけつまく)(赤眼のところ)や眼瞼縁(がんけんえん)(赤眼とまぶたの皮膚の境界のところで、ここにマイボーム腺という脂(あぶら)を分泌する腺の出口が並んでおり、感染や炎症を起こしやすい)の炎症に伴って生じることもよくあります。
ほかに、この「角膜と強膜の病気」であげるいろいろな病気で、上皮に点状の傷を認める状態を部分的に伴ったり、治癒期にそういう状態をへることが非常に多く、この場合は病名というよりも所見を示しているといえます。
症状の現れ方
異物感を示すことが多いですが、軽いものでは無症状のこともあります。また、非常に多数の傷があれば、痛みや視力低下を生じることもあります。
検査と診断
細隙灯(さいげきとう)顕微鏡(スリットランプ)による検査が重要なことはいうまでもありませんが、そのままでは細かい上皮の傷がわかりにくいので、眼の表面に蛍光(けいこう)の緑の色素を入れて、ブルーの光を当てて診察します(フルオレセイン染色)。これによって、傷のあるところが緑に染まって見えるので、傷の程度や広がりを的確にとらえることができます。
治療の方法
一般に、原因に対する治療を行う(ドライアイ→人工涙液点眼、コンタクトレンズ障害→コンタクトレンズの装用中止、細菌性結膜炎(さいきんせいけつまくえん)→抗菌薬点眼、兎眼(とがん)→閉瞼(へいけん)など)とともに、上皮の傷の修復を早めるようにヒアルロン酸などの点眼を行います。
11月27日
電気性眼炎、雪眼炎は俗に“ゆきめ”と呼ばれている紫外線によって起こる表層角膜炎角膜上皮障害のこと。予防するには、サングラスなどの遮光眼鏡を使用すること
電気性眼炎・雪眼炎は俗に“ゆきめ”と呼ばれている紫外線によって起こる表層角膜炎(ひょうそうかくまくえん)(角膜上皮(かくまくじょうひ)障害)です。紫外線の強い場所、たとえばスキー場、海水浴場、高山など、また紫外線の多い職場(殺菌灯を使用する場所)、紫外線の出る機械・器具の近くでの仕事(溶接作業等)などで、角膜が直接かつ長時間紫外線に曝露された場合に起こります。予防するには、サングラスなどの遮光眼鏡を使用することです。
原因は何か
原因は波長290nm付近の紫外線です。
症状の現れ方
症状が現れるのは、紫外線に曝露(ばくろ)した6~24時間後で、夜間に激烈な眼痛、羞明(しゅうめい)(まぶしい)、涙が流れるといった症状が生じて、眼があけられなくなり、救急外来を訪れることが多くみられます。角膜の病変は主にびまん性の表層角膜炎で、ひどくなると角膜びらんを生じますが、大部分は一晩で自然に回復します。
検査と診断
検査にあたっては、まず、疼痛をとるため、点眼麻酔(0・4%塩酸オキシブプロカイン点眼)を十分に行い、ゆっくり眼をあけさせます。ライトで斜めから角膜を照らすと、角膜表面の反射の乱れや角膜表面の薄い混濁が観察され、結膜は充血して赤くなっています。
区別すべきものとしては、薬物・薬液の飛入、有毒ガスの曝露などがあります。問診で紫外線の曝露の有無を確かめることが決め手になります。
治療の方法
救急処置はまず点眼麻酔薬で疼痛をとり、抗菌薬、角膜保護薬の眼軟膏を入れ、眼帯、冷湿布を行います。症状は翌日、長くても数日で軽快します。
病気に気づいたらどうする
眼帯、安静、冷湿布を行うだけで症状はほぼ翌日には軽快するため、あわてる必要はありません。しかし、疼痛や刺激症状が強い場合には、救急外来での処置を受けるほうがよいと思います。一般の鎮痛薬を内服するのもよいでしょう。
11月27日
ボシュロムのメダリストワンデープラスは夜まで続く快適な装用感とクリアな視界を実現したメダリストワンデーの後継レンズ
ボシュロムのメダリストワンデープラスは従来のメダリストワンデーの後継者で、涙をレンズにひき寄せる「ティア モイスト テクノロジー」と視界のぼやけ・にじみを解消する「アスフェリック(非球面)デザイン」。
2つの革新が、夜まで続く快適な装用感とクリアな視界を実現します。
中心厚も従来品の約半分の薄さで装用感も大幅に向上。改良されたブリスターは開封しやすく、特殊処理によりうるおい感も持続します。
涙がレンズ全体に広がりやすいデザイン
レンズ周辺部のカーブが緩やかで、厚さも薄いので、瞬きするたびに涙がレンズ全体に広がりやすくなっています。
涙を引き寄せる「うるおい成分」
レンズ保存液に涙を引き寄せる「うるおい成分」を配合。レンズ全体を涙のベールで包み込むので、うるおいを長時間維持できます。
汚れがつきにくく乾燥しにくい非イオン性素材
コンタクトレンズが乾燥する主な原因は汚れです。汚れがつきにくい非イオン性レンズは、乾燥にも強く、つけたてのみずみずしさが一日中ずっと続きます。
アスフェリック(非球面)デザインで夜でも変わらないクリアな視界
レンズ周辺部のカーブによって起こる視界のにじみ、ぼやけを解消しました。夜や暗い場所で、よりクリアな視界が得られます。
アスフェリック(非球面)デザインは周辺部から入ってくる光と中心部から入ってくる光が網膜上の1点に集まるので、像がくっきり見えます。
11月27日
糖尿病白内障は糖尿病による眼の合併症のひとつで、眼のなかの凸レンズの役目をしてい